歴史的な選挙とアメリカの影響

2017年 06月 15日

9月11日に衆院の総選挙が行われます。
今回の選挙は郵政民営化(privatizing the postal service)の可否を象徴とした「小さな政府」か「大きな政府」かの選択、あるいは自由か安定かの選択が一つの大きな争点となっています。

明治維新以来、日本は基本的に中央集権的官僚国家で現在まで来ています。大変優秀な官僚主導で、税金を最適に再配分し経済の安定した成長を図るという点において世界史的にも大成功したシステムであったと同時に、組織が肥大化し、様々な規制によって既得権益が生じ、無駄なお金がとてもかかる公的部門が数多く出来たという副作用もあったというのも事実です。

その公的部門ではこれまで国鉄や電電公社など大型なものから公立保育所まで様々な組織が国の舵取りで民営化されてきました。それらの是非は別として、小さい政府による自由競争を原則として経済を活性化してきたアメリカ型に倣うならば、それは時代の潮流なのかもしれません。

選挙で自民党が勝ち、小泉総理が続投する可能性が高いというのが大方の予想ですが、郵政民営化法案が可決されるかどうかわかりません。小沢一郎民主党副党首などは、仮に自民党が圧勝しても再び参院で否決されるから同じであるとおっしゃられていますが(日経ビジネス2005.9.5号)、そうなればそうなったで、民意というものは何なのか改めて問われるとは思いますが。

しかし今後も規制緩和・構造改革は進んでいくでしょう。高度成長を支えたいわゆる日本株式会社という官主導の金融・経済システムの崩壊は郵政民営化によってさらに促され、政治主導・民間主導というアメリカ的なシステムにますます近づいていくのではないでしょうか。

また、規制緩和―とりわけ郵政民営化の推進の影にはアメリカのプレッシャーもあるともいわれています。知の巨人といわれるジャーナリストの立花隆氏は氏がネット上で連載されておられる「メディオ・ソシオ・ポリティクス」の中で明確に、今回の郵政民営化は日本経済の根幹を壊し、日本を従属させる意図があると述べられております。
http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050811_kaigai/index3.html


いずれにしろ、構造改革・規制緩和が進行してきたここ10年間の外資系、とりわけ米国系の金融機関を中心とした日本への進出ぶりを見ると、郵政民営化をされた場合に市場に出る約350兆円という天文学的な資金をめぐって、更にアメリカの企業は日本に進出してくるでしょう。日本としてはそれを受け入れた上、国民と国が経済的に潤うようにしていかなくてはならないと思います。ソニーをはじめとして、日本の企業の多くもアメリカで成功し、同時にアメリカの経済発展に貢献しているわけですから。

現在でも既に起こっていますが、今後はさらに外資系を就職・転職先の選択肢として自然に選ばれていくと思います。規制緩和による自由化の波は私達の労働環境にも押し寄せ、競争原理による所得差も著しくなっていくのでしょう。そうなるとますます語学能力や経験が問われていきます。大変な時代ではありますが、チャンスも多い時代でもあります。

なにかの雑誌で、心理学者の香山リカ氏がおっしゃっておられましたが、あまり好きな言葉ではありませんが、いわゆる勝ち組といわれているホリエモンことライブドア社長の堀江氏や楽天社長の三木谷氏などは、意識として、“こんなにチャンスが多い時代に生まれて幸せだ”といった考え方を持っていて、それが成功の要因となっているとのことでした。とても興味深い話で、確かに“こんな時代に生まれてくるのではなかった”などと嘆くよりも、生産的で充実した毎日を過ごせるはずです。

9月11日の結果ですぐ日本が変わるわけではないかもしれません。しかし、今後の日本を占う意味で大変重要な選挙となるはずでしょう。特に若い世代は、サイレント・マジョリティーという言葉にもあるように、選挙に行かない傾向が強いようです。そういった人も今回を境に選挙に行ってみてはいかがでしょうか?そこから本当に日本は、今よりも血の通った国となっていくはずです。