「アメリカ留学での英語学習」

2012年 11月 04日

日本人の留学先として最も多いのはアメリカでここ10年間は年4万5千人前後で 横ばい状態だそうです(ユネスコ文化統計年鑑より)。
また同年鑑によりますと、中でもカリフォルニア州への留学が多く、年間約1万人程度の日本人が毎年留学しているようです。
私も6年程前になりますが、アメリカのカリフォルニア州で2年間大学に通っておりました。
入学前には大学の付属の英語学校に3ヶ月間通いましたが、今回はその時のことを少し書きたいと思います。

私は、英語自体は中学生の頃から得意科目ではありましたが、聞いたり話したりする機会は余りありませんでした。
大学時代には当時の米国大統領クリントンが来日し母校で講演を行ったときに、勇んで聴講しに行ったものの 何を言っているのかさっぱりでした。その後ゼミの教授に「クリントンは何て言っていたの?」と聞かれたときは 、「これからは日米関係がもっと重要になると言っていましたね」と誰でも言えることをいってお茶を濁したりしたものです。 ちなみに専攻は国際政治でした・・・。

とそんな調子にも関わらず、読み書きが出来るのだしすぐ英語には慣れるだろうという安易な気持ちで、視野を広めたい、 アメリカから見た日本というのはどういうものなのかを知りたい、といったテーマを持って渡米しました。
プログラムには3ヶ月間ほどの英語学習プログラム(UCLAエクステンションELS)がついていて、まずはそこで 英語・英会話の練習をしたのですが、最初のレベル分けテストはいわゆる受験英語タイプだったので出来がよく、 いきなり一番上のコースに入れられました。
最初は嬉しかったもののレッスンが始まってビックリ!周りはブラジルや フランス、スェーデン、中国などから来た留学生がメインで、全部で12人ほどいたのですが、いきなり最初のレッスンで 何かジョークをいって周りを笑わせたり、一人で延々としゃべりまくったりする人がいて、何でこんな人が英語を学ぶ 必要があるんだ?と不思議でした。
確かに文法などは日本人のほうが出来るのですが、国民性なのか、受験勉強の弊害なのか、授業では中々話すことが 出来ません。ブラジル人とかに”Hey, don’t be shy!”とか言われたりして、それで余計に腹が立って無口になったり することもあり、悔しくて日本がいかに世界に冠たる経済大国となったか、といった日本語でもうまく説明できないことを自分から話し出して結局何をいってるのか分からない、というおそまつな結果になり最後は"Forget it!"と半ば切れ気味に投げ出したりするなど本当自分が情け無い毎日でした。

でも確かに最初はなかなか会話に入られず、一緒に笑っているフリをしてごまかして後でこっそり聞くなどをしていましたが、 休憩時間に積極的に話しかけたり、英語で日記を書いたのを先生に直してもらってそれを音読したり、とにかくニュースなどを聞き続けたりしながら1ヵ月ほど経つとなんとなく周りの英語がクリアに 聞こえることが多くなる気がしてきました。
そして2ヶ月くらい経つと少々の間違いは気にせずに話せるようになってきて、冗談もうそ笑いでなく本当に面白かったり、 逆に前は笑っていたけど大して面白いこといってないなぁとかが分かったりするようになってきたのです。3ヶ月ほど経った時には授業で違和感なく周りと溶け込めるようになっていました。

今になってみると、文法や語彙、TOEICやTOEFLなどのための勉強は独りでも出来るかもしれないけれども、やはり英語でのコミュニケーション 能力を伸ばすには、他の人から失敗も含めて色々な表現を学んだり、周りを自分の上達の物差し・判断基準とすることが 出来たりする複数でのレッスンがよかったのかなぁと感じます。最初は恥ばかりかいて、何度も話すのが嫌になりましたが、英語のみならず人前で話すという日本人には比較的苦手な行為を克服するためにもあきらめずに、そして間違いを恐れず自分の表現したいことを精一杯表現することがとても大切だと思います。もちろん、前提として自分の表現したいことや他人の意見に対する見解などを持つことが必要ですが。

ところで今でも覚えている当時のクラスメイトの言葉があります。私が休憩時間はよく話すのに、レッスン中はあまり話さないのを見て「もっとレッスンでも積極的に話せばいいのに」と言ってきたフランス人の留学生に、私は「流暢に話せないからまだみんなの前で話すのは恥ずかしいよ」と答えました。すると彼は、「何を言ってるんだい、レッスンは本番ではなくてあくまで練習するところなんだから、たくさん間違えてたくさん直してもらうほうが授業料の元がとれるじゃん。それに君の失敗なんか誰も気にしないし、みんな間違っても堂々と話してるでしょ。」と言われたのです。何気なく彼の言ったその言葉ーそれが私には衝撃を持って心に突き刺さりました。当たり前といえば当たり前なのですが、私にはそれがとても新鮮に思え、それからはレッスンでの間違いを恥と思わなくなりました。

外国語を学ぶ時、いきなり流暢に話せる人など一人もいません。他の人のうまい表現を参考にしたり、自分の失敗を直したりすることで上達していきます。みなさんも英会話の勉強をする時は、”学ぶは真似ること”という言葉にもあるようになるべく多くの英語を聞き表現を真似てすぐ使い、そして話すときは間違いを恐れず堂々と話してみませんか。“聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥”ならぬ、“言うは一時の恥言わぬは一生の恥”という言葉を英会話を勉強するときに心のどこかに留めておけばいいのではないでしょうか。